真!韓国映画祭 
Real! Korean Cinema Festival



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主催 : 「真!韓国映画祭」配給委員会(キノアイジャパン、シネマスコーレ、シネマコリア)
協賛 : プラザマルマン、マルマン会館、Timestory Film & Books

4つの“家族”の物語。そこから垣間見えるリアルな韓国の姿
 今、韓国映画界に新しい風が吹いています。大衆的な大作ではなく、個人の視点で日常をとらえた小品を撮る作家が増えてきているのです。「真!韓国映画祭」では、そんな気鋭の映像作家を選りすぐった最新作を一挙公開いたします。「早期教育」「熟年離婚」「希薄化する家族関係」… 今、韓国が抱える様々な問題を痛烈に突き付けながら、そこから軽やかに自由になる主人公たちの姿を、斬新で作品性豊かに描く珠玉の映画たち。今回ご覧いただくのは、すべて“家族”をテーマにした意欲作です。古くて新しいテーマ“家族”。そこから垣間見えるリアルな“韓国の姿”と“新しい家族の形”を感じてください。
真!韓国映画祭とは
 1980年代から韓国映画を上映し続けるミニシアターの老舗シネマスコーレ、1990年代から未公開の韓国映画を紹介してきたミニ映画祭シネマコリア、そして、2008年から新しく多様な作品の製作・配給を始めた韓国の映画会社キノアイ。韓国映画の“ソムリエ”とも言える三者が、リアルな韓国の“今”を伝える本物の韓国映画4本を、フェスティバル形式で共同配給します。名付けて「真!韓国映画祭」。「真!韓国映画祭」の「真(しん)」は、「本物」「リアル」を表し、「新」とかけています。「real」という英単語には、「本物」のほかに「現実の」「伝統的な方法で作られた」「手作りの」「本質的な」「誠実な」「偽りのない」といった意味があります。私たちが紹介するのは、こういった特徴を兼ね備えた韓国映画です。
上映作品
『飛べ、ペンギン』

 
これって私のこと? ドキリとさせる痛快人間ドラマ!
 英題 Fly Penguin/韓国/2009年/110分
 監督 イム・スルレ 出演 ムン・ソリ、チェ・ギュファン、パク・イヌァン
 (C) 2009 INDIESTORY Inc. ALL RIGHTS RESERVED.

 市役所に勤める人々とその家族の日常を描いた群像劇。教育熱心な母親は9歳の息子に英語教育を無理強いして夫をうんざりさせている。彼女が勤める市役所の上司は、早期教育のため妻子を海外留学させた寂しさで毎晩部下を飲みに誘い、すっかり煙たがられている。ベジタリアンの新入社員は酒席で同僚たちにいじめられ、上司の父親は妻にまったく理解がなく、熟年離婚の危機にさらされているのに気づかない…。韓国を代表する女性監督イム・スルレのユーモアあふれる逸品。

もっと住みやすい社会にするには?と観客に問いかけてみたい ─ イム・スルレ監督
イム・スルレ(『飛べ、ペンギン』監督)
 1961年生まれ。漢陽大学英文科、同大学院演劇映画科を経てフランスに留学。パリ第8大学で映画学を学び修士号を取得する。1996年に「三人友達」で長編デビュー。2008年の『私たちの生涯最高の瞬間』は観客動員300万人を超える大ヒットとなった。その他の作品に「ワイキキ・ブラザーズ」(2001年)、ドキュメンタリー「美しき生存−女性映画人が語る映画」(2001年)、オムニバス映画『もし、あなたなら〜6つの視線』の一編『彼女の重さ』(2003年)がある。
『空を歩く少年』 

 
少年と“娘”が旅先で出会う人生の光
 英題 Da Capo/韓国/2008年/93分
 監督 ノ・ジンス 出演 ホ・イジェ、カン・サン
 (C) 2008 KINOEYE DMC Inc. ALL RIGHTS RESERVED.

 ふとしたことで出会った少年と“娘”の心温まるロード・ムービー。母親の死と父親の再婚を受け入れられない“娘”は、配達のアルバイトをしていた。ある日、8歳になる男の子の配達を頼まれるが、受取人として指定されていたのは結婚式場の新郎だった。男に「自分の子供ではない」と拒否された少年は、自分を「ここではないどこか」へ配達して欲しいと娘に頼む。脚本家として注目されていたノ・ジンス監督の長編デビュー作。

この映画は、普遍的なヒューマニズムを扱った作品です ─ ノ・ジンス監督
ノ・ジンス(『空を歩く少年』監督)
 1970年生まれ。1995年に嶺南大学を卒業後、『カル』(1999年)、『純愛譜−じゅんあいふ−』(2000年)などにスタッフとして参加。また、「海辺へ行く」(2000年)、「海賊、ディスコ王になる」(2002年)などの脚本を手がける。『空を歩く少年』は長編デビュー作。公開待機作として、様々な事情を抱えて山に登った人たちが予想外の事件に巻き込まれるコメディ風の残酷劇「ノルウェイの森」がある。

『今、このままがいい』

 
対照的な異父姉妹の父親探しの旅
 英題 Sisters on the Road/韓国/2008年/90分
 監督 プ・ジヨン 出演 シン・ミナ、コン・ヒョジン
 (C) 2008 INDIESTORY Inc. ALL RIGHTS RESERVED.

 反目しあう姉と妹の和解と成長の物語。ソウルの会社で働く妹ミョンウンと、故郷・済州島で母の魚屋を継いだ姉ミョンジュは、異父姉妹。母が亡くなったという知らせを受け帰郷したミョンウンは、ミョンジュと一緒に、幼い頃に自分を捨てた父親を探す旅に出る。性格の違う2人はことごとく意見を異にし、ついには自動車事故を起こしてしまう。これが長編デビュー作となる気鋭の女性監督プ・ジヨンの巧みな脚本に注目!

誰もが望む家族の連帯感の幅をもう少し広げることができれば ─ プ・ジヨン監督
プ・ジヨン(『今、このままがいい』監督)
 1971年生まれ。梨花女子大学教育心理学科卒。韓国映画アカデミー17期修了。ぴあフィルムフェスティバルで上映された「透明でしょっぱい液体(原題:涙)」(2002年)など、短編作品を発表する一方、ホン・サンス監督の『秘花 〜スジョンの愛〜』(2000年)の演出部やイ・ジェヨン監督の『スキャンダル』(2003年)のスクリプターを経験。本作で長編デビューを果たす。実の姉との旅行からアイディアを得たという本作は、監督自身の出身地である済州島が主要な舞台となっている。

『ビバ!ラブ』

 
あなた、ゴメン。私、好きな人ができちゃった
 原題 慶祝!私たちの愛/英題 Viva! Love/韓国/2008年/100分
 監督 オ・ジョムギュン 出演 キム・ヘスク、キム・ヨンミン
 (C) 2008 IB Pictures Co., Ltd. ALL RIGHTS RESERVED.

 21歳年下の男性との愛を貫こうとする中年女性をユニークな視点で描き、韓国の映画賞を総なめにした話題作。カラオケ屋と下宿を営みながら夫と娘と暮らすボンスンは50歳。女性としての自分は捨て、「妻」そして「母」としてだけ生きていた。そんなある日、下宿人のクサンと結婚宣言をしていた娘が、突然、家出。ヤケになり酒に酔って倒れていたクサンを介抱したボンスンは彼と一夜を共にする。遅咲きオ・ジョムギュン監督、会心のデビュー作。

これは、中年女性の正直な欲望が最後に勝利する物語です ─ オ・ジョムギュン監督
オ・ジョムギュン(『ビバ!ラブ』監督)
 1959年生まれ。弘益大学西洋学科を卒業後、韓国芸術総合学校映像院映画科に入学。1995年以降、短編作品を数多く発表し国内外で高い評価を受ける。2002年の「生産的活動」でミジャンセン短編映画祭審査委員特別賞を受賞。2006年に発表した長編「生産的活動」はケーブルテレビで放映され、高い視聴率を記録した。本格的な長編デビュー作となる『ビバ!ラブ』ではセンセーショナルともいえる題材をユニークな人間ドラマとして完成させた。
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