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「ツヒノスミカ」
2006年/80分
監督:山本起也
プロデューサー:伊勢真一、岩永政敏 、米山靖
撮影:内藤雅行
音響構成:渡邊丈彦
音楽:谷川賢作
ナレーション:寺島進
主人公は山本マツさん90歳。つれあいを亡くした後もひとりで身の回りのことをこなし、気丈に暮らしていたばあちゃんが、突然、「ひとりは寂しい」と言い出した。考えた末、息子夫婦が出した結論は、同居できる新しい家をそこに建て直すこと。やがて古い家の取り壊しが決まり、荷物の整理が始まった。積み重なったガラクタの山。しかしそれは、確かにその家に流れていた時間の証だった。ひとつ物を捨てる度に、ひとつ時間が消えてゆく。生まれてくることと死んでゆくこと。ひとつの家の取り壊しをみつめた眼差しが、美しい人生の移り変わりを映し出してゆく。
作品詳細 |
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「ありがとう 〜奈緒ちゃん 自立への25年〜」 2006年/105分
監督:伊勢真一
プロデューサー:渡辺哲也
撮影:石倉隆二
照明:箕輪栄一
録音:渡邊丈彦
音楽:横内丙午
てんかんと知的障害を合わせも持つ奈緒ちゃんの、8歳から32歳までの25年間を、地域社会を舞台に、家族、仲間達との絆にスポットをあてて描いたドキュメンタリー。監督は、奈緒ちゃんの叔父である伊勢真一。「長くは生きられないかもしれない」と医者に言われていた奈緒ちゃんも、30歳を超える年になった。家を出てグループホームへの自立を考え始めた時、父は定年退職、母も第二の人生について考え始める。「自分たちが元気なうちに奈緒ちゃんをグループホームへ自立させたい」と願う反面、30年以上も家族の中心に居た奈緒ちゃんが居なくなってしまうことに戸惑いを感じる家族。奈緒ちゃんだけでなく、家族それぞれの新たな自立への一歩が始まる。
作品詳細 |
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「奈緒ちゃん」
1995年/98分 1996年 毎日映画コンクール グランプリ受賞
監督:伊勢真一
プロデューサー:大槻秀子
撮影:瀬川順一
音響構成:木村勝英
編集:熱海鋼一
ナレーション:伊藤惣一
のちに「ぴぐれっと」「ありがとう」の2作品を生むことになる奈緒ちゃんシリーズ第1弾。伊勢真一と仲間たちが手弁当で始めた撮影は、ただひたすらに、奈緒ちゃんとその家族を追い続けた。障害のある子を持つ家族の日常を、淡々と、そして静かに見つめたヒューマンドキュメンタリー。撮影を担当したカメラマン、瀬川順一さんはつぶやいた。「このフィルムには“しあわせ”が写っている・・・」
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「ルーペ 〜カメラマン 瀬川順一の眼〜」
1997年/90分 1997年日本映画ペンクラブ グランプリ受賞
監督:伊勢真一
撮影:安井洋一郎・瀬川順一・瀬川龍・柳田義和
録音:米山靖
音楽:横内丙午
題字:戸井昌造
『奈緒ちゃん』のカメラマン、瀬川順一さんの鎮魂歌とも言えるドキュメンタリー。戦前・戦中・戦後にわたり、ルーペを覗き続けたひとりの映画人の記録である。『戦ふ兵隊』『銀嶺の果て』『晩歌』『水俣の図
物語』『アントニオ・ガウディー』・・・劇映画からドキュメンタリーまで、その作品は広く深い。伊勢真一が父親のように慕っていた瀬川順一さんを追い、“ドキュメンタリーとは何か”を問い続けるカメラマンを描いた初めてのドキュメンタリーである。
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「タイマグラばあちゃん」 2004年/110分
監督:澄川嘉彦
プロデューサー:伊勢真一・菅原順一
撮影:太田信明・澄川嘉彦
音響構成:米山靖
音楽:三上憲夫
ナレーション:小室等
岩手県早池峰山麓にあるタイマグラ。日本で最後に電気が通ったこの地で、水道もない山奥に住み、厳しい冬でも、「ここの暮しが好きだぁ。極楽だぁ。」とタイマグラばあちゃんこと、向田マサヨさんは笑う。自然に感謝し、生き物を敬い、じいちゃんと共に開拓した土地を大切にしながら生きるばあちゃん。人生そのものを肯定するかのようなばあちゃんの笑顔は、私たちに、大切な何かを気づかせてくれる。2006年
スイス、フランス、アメリカ、イタリアの国際映画祭でグランプリ受賞。
作品詳細 |
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伊勢 真一(いせ しんいち)
1949年東京生まれ。立教大学法学部卒。
大学卒業後、いくつかの職業を経験した後、映像の世界に入る。父は記録映画編集者として活躍した故・伊勢長之助。
ドキュメンタリー作家として、映画とテレビの両分野にわたり精力的な活動を展開。
1995年、重度の障害をもつ少女の12年間を追った作品『奈緒ちゃん』で毎日映画コンクール記録映画賞を受賞。その後も『ルーペ』('97)『えんとこ』('99)『ぴぐれっと』('02)『朋あり。太鼓奏者 林英哲』('04)などを発表し、幅広くヒューマンドキュメンタリーを手がける。
最近では、若手のプロデュースも積極的に行い、プロデュース作品には、『タイマグラばあちゃん』('04/監督:澄川嘉彦)『ボクラの島を忘れない』('05/監督:多田亜佐美)『ツヒノスミカ』('06/監督:山本起也)などがある。 |
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